AMH(抗ミューラー管ホルモン)とは?
AMHとは、「卵巣内に卵子がどれくらい残っているか」の指標
AMH(抗ミューラー管ホルモン)は、極初期の卵胞から分泌されるホルモンで、卵巣予備能(=卵巣内に卵子がどれくらい残っているか)を最も正確に評価できる検査数値です。
AMHは、下のグラフの様に基本的には年齢に伴って右肩下がりで低下していきます。
卵胞は胎児期に作られて、それ以降は減る一方ですので、回復させる(増やす)ことは不可能です。卵巣の状態を知る意味で、妊活の比較的初期に検査することをお勧めしています。
AMHと卵子の質は無関係です
AMHはあくまでも「卵巣内に卵子がどれくらい残っているか」の指標です。
卵子の質は原則として実年齢(=卵巣年齢)に最も相関します。
個人差・その他の交絡因子はもちろんありますが、卵子の質=卵巣年齢=実年齢と考えて下さい。
卵子の質が良い≒染色体エラーが生じにくい≒妊娠率が高い
卵子の質が良くない≒染色体エラーが生じやすい≒妊娠率が高くない
年齢が若い方が妊娠率が高いのは確かです。
2年ぶりに再検査したら、2回目の方がAMH高かったのですが何故ですか?
AMHは、厳密には計測した時点から約2周期先にリクルートされる卵胞数を反映した数値です。上のグラフでは直線的に低下している様にみえますが、あくまで時点時点の計測値にはばらつき(卵胞が多め、少なめなど周期によるばらつき)があります。
そのため、3ヶ月前より今月の方が卵胞多い。今月は6ヶ月前より卵胞少ないなどは起こり得ます。
ただし、仮に毎月AMHを計測し、プロットして年単位でみると、やはり右肩下がりになると考えて下さい。
出典:「Age-specific serum anti-Mullerian hormone values for 17,120 women presenting fertilty centers within the United Staes 」Fertil Steril; 95, 747-750, 2011
次回は、AMHとの向き合い方について投稿しようと思います。