胚凍結と胚移植に関して ④ / ⑥
凍結胚には属性があると考えると分かりやすい?
前提のお話しとして、
2022年3月末までに治療を開始した自費診療で得た凍結胚は、1年間の自費凍結期間が付帯しています。
2022年4月以降に治療を開始した保険診療で得た凍結胚は、1年間の保険凍結期間が付帯します。
更にこの話を進める前に整理しておかないといけないことは、
2022年4月以降は、原則として下記の通りです。
保険診療で得た凍結胚(=保険属性胚)は、保険診療でしか胚移植できない。
自費診療で得た凍結胚(=自費属性胚)は、自費診療でしか胚移植できない。
(*原則を外れると想定される状況:保険制度では凍結胚は1年更新で、採卵日から最大3年しか担保出来ません。3年経った時は確実に保険適応外となるので、保険属性胚が自費属性胚に変化せざる得ないと思います。しかし、1年経った時点で保険で凍結更新したくない、自費凍結更新したいと言った場合は…、現時点ではなんとも言えません)
2020年3月末までに治療を開始した自費診療で得た凍結胚を保険診療で胚移植できるか?
これは移行措置として実施できます。胚移植回数制限は保険診療のルールに従います。
つまり上記の原則と違って
自費診療で得た凍結胚(=自費属性胚)なのに、保険診療での胚移植が可能ということです。
しかし、「保険診療の胚移植」=保険診療のルール内(自費診療との併用不可)の治療であって、「保険価格で自費診療が受けられる」という訳ではありません。治療メニューはあくまで保険適応に従います。
次の記事では、凍結胚の更新について書きます。