胚凍結更新に関して ⑤ / ⑥
2020年3月末までに治療を開始した自費診療で得た凍結胚を保険診療で胚凍結更新できるか?
条件を満たせば可能ですが、下記の制限がつきますので、個人の判断に委ねられます。
①保険での胚凍結更新は3年までなので、採卵日から3年以内であること
②保険では43歳以上は治療できません(凍結期間内に43歳になる場合は要注意)。
③保険で更新を行うと、その胚は全て「保険属性胚」となるため、「全て保険診療での胚移植」しか許されなくなります。
特に③は要注意です
例えば、第1子妊娠時に良好胚を10個得て、1回の胚移植で妊娠して、9個凍結胚があるとします。
保険で胚凍結更新して、サラッと妊娠すれば良いですが難渋し始めた時は厄介かもしれません。
全てが「保険属性胚」となっているため、胚移植の基本メニューが前回妊娠時と違います。前回上手くいった時と同じ様にして欲しいというリクエストには応えることが出来ません。
また、途中で(9個中3個の移植終了した時点など)自費診療での胚移植に戻して欲しいということは出来ません。(ただし、保険での凍結更新は3年までなので、それを超えた時点で再度自費凍結契約になると思われます。その時点で「自費属性胚」に戻ることはあり得ます。保険凍結更新している期間内は保険ルールに縛られます)。
以上が、2022/4/1時点での不妊治療保険適応化における解釈です。
今回の制度変更は2022/3/30にすら追加変更が行われたくらいのドタバタ劇でした。
そのため、解釈に間違いがあった場合は訂正することもありますし、今後方針変更が発表されるかもしれないことにはご理解願います。
次の記事では、自費料金について書きます。