卵管鏡下卵管形成術(FT)を再開します
卵管狭窄・閉塞の方が、患側での妊娠チャンスも得られるように「卵管鏡下卵管形成術(FT)」の手術を当院でもできる様にしました。
手術は、前職場でFT手術経験が豊富な副院長(藤井雄太)が担当します。
卵管鏡下卵管形成術(FT)とは、どんな手術ですか?
卵管鏡といわれる直径1mmの細いカメラを使った手術になります。カメラで卵管内を観察し、カメラの周りに付いた柔らかいバルーンカテーテルで、卵管の狭くなっている箇所や、詰まっている箇所を広げて卵管の通過性を改善します(下記画像の様に)。
静脈麻酔薬を使って手術は行いますので痛みはありません。
生理後〜排卵までに行い、手術後すぐの排卵のタイミングから自然妊娠が望めます。
20代で40%、30代前半の方では30〜40%の妊娠率が期待できます。一方で、術後6-12ヶ月経っても妊娠しない時は体外受精へのstep upを提案することがあります。
広げた箇所は再び狭くなったり、詰まったりするなど再発の可能性があります。
卵管鏡下卵管形成術(FT)と体外受精(ART)どちらに進むべきか迷います
FTを行うということは、手術後に6~12ヶ月くらいタイミング療法・AIHでの妊娠を目指したいと考える場合だと思います。
逆に年齢などから確率の低いことはしたくない、タイミング療法・AIHを長期間する気はないというなら、FTは行わず体外受精に移行するのが良いと思います。
また、卵管因子で体外受精に進んだが、「体外受精を一旦休憩したい」や「第1子を体外受精で妊娠した。第2.3子希望だが体外受精はしない」と考える方にも良い適応だと思います。