着床の窓とは?
着床不全の原因の1つに子宮内膜の「着床の窓」という考え方があります。
今回は「着床の窓」について紹介します。
子宮内膜が受精卵を受け入れることができる時期は、ある程度短いと言われており、それを俗に「着床の窓(=window of implantation)」と呼びます。
着床の窓が開いている時に移植すると妊娠しやすく、着床の窓が閉じている時に移植すると着床しづらいあるいは着床しないというイメージです。(子宮外妊娠は内膜がないところに着床します。そのため着床の窓は絶対的な考え方ではありませんが、着床不全に悩んでいる方には重要な突破口です。)
【着床の窓の時期】
一般的に、「LHサージ(hCG投与)から7日前後」「プロゲステロン投与から5日前後」が着床の窓の時期と言われています。そのため、ホルモン補充周期で融解胚移植を行う場合、多くの施設ではプロゲステロン製剤(腟坐薬/内服薬/筋肉注射)開始から5日前後(=約120h後)に胚移植を行っています。
しかし、「着床の窓」には個人差があることが分かっています。つまり、着床の準備が早い方と遅い方がいて、それが着床の窓のズレとなり、妊娠率の低下につながる可能性があるということです。
当院では、良好胚が2-4回連続で妊娠反応陰性の際に、着床の窓の検査を推奨することがあります。
【着床の窓の検査】
比較的再現性が高いホルモン補充周期で、凍結胚盤胞を移植するが如く、子宮内膜を整えます。その内膜を少量採取し検査します。
約30%の方が24h以上の着床の窓にズレがあり、約50%の方が検査結果に合わせて移植時間を調整することになると言われています(®igenomix社)。