自然妊娠における夫婦の年齢について
アメリカ生殖医学会の見解2022(Optimizing natural fertility: a committee opinion)からの抜粋です。
「fertility and aging」(妊孕性と加齢)
①
妊娠の可能性は最初の数カ月間が最も高く、その後は徐々に低下します。
約80%のカップルは、妊娠を試みた最初の6ヵ月間に妊娠します。
1ヵ月あたりの妊娠率は最初の3ヵ月間が最も高くなります。
妊孕性は20代後半から30代前半のピーク時と比較して、40歳では約半分に減少します。
②
出生率は、女性でも男性でも加齢と共に減少しますが、年齢の影響は女性の方が顕著です。
③
男性の精液所見は35歳を過ぎると低下を認めますが、男性の妊孕性は約50歳までは目立った影響を受けません。
出典①:Gnoth C, Godehardt D, Godehardt E, Frank-Herrmann P, Freundl G. Time to pregnancy: results of the German prospective study and impact on the management of infertility. Hum Reprod 2003;18:1959–66.
出典②:Howe G, Westhoff C, Vessey M, Yeates D. Effects of age, cigarette smoking, and other factors on fertility: findings in a large prospective study. Br Med J 1985;290:1697–700.
Larsen U, Menken J, Trussell J. Age and infertility. Science 1986;26:1389–94.
出典③:Dunson DB, Baird DD, Colombo B. Increased infertility with age in men and women. Am J Obstet Gynecol 2004;103:51–6.
私見:自然妊娠率を示したデータは様々あり、どの数字をベースにおくか難しいですが、出典①は、積極的に妊娠したい夫婦をリクルートしたという点で、妊娠したいカップルが頑張った時の妊娠率はどうかという意味で信頼度が高いと考えられ、ASRMの公式見解にも採用されているのかなと思います。