子宮頸がん9価ワクチンの有効性と取り扱い開始について
厚労省の子宮頸がんワクチン積極勧奨の再開の報道を受けて、子宮頸がん9価ワクチン(シルガード9)の問い合わせが増えているため、当院でも取り扱いを開始しました。詳細はHPにも掲載しております。
9価ワクチンの有効性と供給・定期接種化?について(論文紹介は後述)
9価ワクチンはアメリカでは既に定期接種として推奨されています。世界的には4価よりも有効な9価ワクチンへの移行は避けがたく、供給が追い付かないことが懸念されています。
日本では、9価ワクチンの全例登録(副作用調査)が始まり、それで問題が無ければ(既に諸外国で問題ないと証明されてはいるのですが…)、定期接種(日本なら無料接種)に繰り上がる可能性が示唆されています。
しかし、それは1年後なのか数年後なのか10年後なのか不明です。
9価ワクチンの定期接種化を待って、4価ワクチン接種の機会を逸したり、ワクチン接種前に感染してしまうことが無いように注意喚起もされています。
9価HPVワクチンの免疫性・安全性・有効性の解析
対象:16-26歳の女性
方法:ランダムに4価ワクチンと9価ワクチンをdouble blindで振り分けて、6年間追跡調査した。前がん病変・上皮内癌の予防効果を比較した。
結果:下記の表の通りです(日本産科婦人科学会HPより転載)
従来の4価ワクチンと同等の子宮頸部の高度前がん病変・上皮内癌の予防効果に加え、新たなターゲットとなった HPV 31/33/45/52/58 による病変が 97.4% 減少したことが証明されました。この結果より、9 価 HPV ワクチンは子宮頸がんを 90%以上予防する効果が期待できます。