AMHとの向き合い方(一般不妊治療期間)
前回、前々回、「AMH2.5以下は妊娠するまで治療を継続して欲しい」という考えを提案しました。
「治療を続けて欲しい」とは言い換えると「一般不妊治療で妊娠しない時は、体外受精も含めて治療を継続して、妊娠成立までたどり着いて欲しい」という意味です。
不妊治療では明らかな原因が分かることは約半分くらいと言われています。そのため明らかな異常を認めなくても、タイミング療法・人工授精で一定期間妊娠しなければ、体外受精に進んだ方が良いというのが不妊治療の特徴ともいえます。
そのため、一般不妊治療期間(タイミング療法・人工授精)をどれくらいにするかは、実は大事な決断です。その決断に最も大きな要素は、「治療歴」と「AMH」と「年齢」です。
「治療歴」に関して話しだすと診察になってしまうので割愛します。
AMH>2.5、年齢35歳未満の方
⇒特に悩む必要はありません。しっかり一般不妊治療を行ってから、体外受精に移行するので問題ないです。
AMH>2.5、年齢35歳以上の方
⇒一般不妊治療で妊娠できる可能性は年齢に従って下がっていきます。一般不妊治療で妊娠できる可能性はありますが、一般不妊治療に費やした期間=体外受精での採卵獲得卵数の減少と考えて下さい。AMHが高い有利性を十分に発揮するには早めに体外受精にすすむのも賢明かもしれません。
AMH<2.5、年齢35歳未満の方
⇒一般不妊治療で妊娠できる可能性は十分にあります。ただし、あまり長期間(特に一旦治療を離れる)をとった末に、体外受精に移行しなければいけなくなった時は、採卵回数が増えるリスクが上がります。
AMH<2.5、年齢35歳以上の方
⇒一般不妊治療で妊娠できる可能性は年齢に従って下がっていきます。体外受精でも多くの卵を回収することが難しい可能性があるため、比較的早めに体外受精に進んだ方が賢明かもしれません。
やはり歯切れの悪い文章になってしまいました・・・
そうなってしまう理由は「一般不妊治療でどれくらいの期間で妊娠できるか、あるいはどんなに長期間とっても妊娠出来ないのかは誰にも分からない」という当たり前の事実です。
一定の簡単な正解などはなく、「治療歴」と「AMH」と「年齢」+各人の考え方に寄り添って、総合的に治療ペースは決めていかねばなりません。